宸R「勝手にしやがれ!!」Sex Pistols (東芝EMI TOCP-53098)1977年発表Sex Pistolsはある意味「革命」だった。
それまでテクニックに走ったり、ユートピアのことを歌ったり、また商業第一主義丸出しの音楽シーンに挑戦状を叩き付けるかのように、彼等の歌は攻撃的だった。
音楽業界だけにでは無い。
大英帝国が内包する、あらゆる「膿」を吐き出すかのように、Pistolsは世界中のふやけた若者達の横っ面を張り倒したのだ。
ハッキリ言って楽器も歌もお世辞にもうまいとは言えない。と言うか「下手」である。
しかしこのアルバムを聴いて、興奮を押さえられないのはなぜだろう?
それはきっと、ロックの世界において既製の体制に反逆ののろしを上げたのは、彼等が初めてだったからだ。
彼等は自分達が抱えている怒りや不満を、自分達の言葉で、自分達のメロディで伝えた。
そのスタイルは、ジャンルは違えど様々なミュージシャンに影響を与え、現在に到っている。
尾崎豊然り、ブルーハーツ然り、である。
Sex Pistolsは、音楽性と言うよりも、「魂」の面でロックシーンに新たな指針を示したと、僕は思っている。
PUNX NOT DEAD
この言葉はつまり、「反逆の精神を決して忘れるな」という、僕達へのメッセージでもあるのだろう。
ちなみにこのバンドのベーシスト、シド・ヴィシャスは、Pistols解散後、麻薬のオーヴァードースにより他界。
世界中のファンが悲しんだが、一方で「PUNXらしい死に様だ」と言う声も多かった。
彼のめちゃくちゃな人生については、ドキュメンタリー映画「シド&ナンシー」(ビデオが出てる、と思う、多分...(^^;;;)で詳しく描かれているので、こちらもお勧めしたい。
2000年2月28日 記