POWERSLAVE
 

宸P「POWERSLAVE」Iron Maiden (東芝EMI EMS-91091*アナログ盤) 1984年発表

いきなりで申し訳ないが、僕はこのアルバムのCDを持っていない。レコードである(爆)。「CDインプレッション」等と銘打っておいて、初っ端からこの体たらく。まことに面目ない。(^^;

にもかかわらず、何故わざわざ本作を1番目に書きたかったかと言うと、僕が初めて「ベースをがんばって練習しよう」と決心させてくれたアルバムだからである。

たくさんの作品を発表しているIron Maidenの、どのアルバムを以て最高傑作とするかはファンによって意見の分かれる所だが、この「POWERSLAVE」を嫌いだと言うファンは皆無だろうと思う。

まずは一曲目「Aces High」で、僕は既にノックアウトされた。「うおおぉぉ!なんじゃこの迫力満点のベースはあぁぁ!」

これを聞いた時僕は確か高校生だったと思うが、それまでこんなにも圧倒的な個性を持つベース音に出会ったことがなかったのである。そう、Steve Harrisという僕のフェイバリット・ベーシストに。

ではいったい彼の魅力とはなんなのか。

題一に、その個性的な「バキバキ音」だ。ニ本の指を弦に叩き付けるようにして弾くことにより、強烈なアタック音を生み出す彼の奏法。この音無くしてIron Maidenの音楽世界を語ることはできない。

そして、何と言っても彼はベースでリフを奏でてしまうのだ。勿論、メイデンが登場する以前にも、ベーシストがメインソングライターのバンドは存在したとは思うが、ここまでベースのリフが全面に出ているバンドを僕は他に知らない。

「ベーシストは単なる縁の下の力持ちではない」と言うことを、僕はこのアルバムを通して知った。そしてSteveのプレイスタイルは、今の僕のプレイに多大な影響を与えてくれた(だからって僕が上手いって訳じゃないからね)。

CD紹介のはずがレコードになり、アルバム紹介のはずがベーシストの解説になり、とまるで脈絡の無い文章になってしまって申し訳ないです(^^;。加えて、冒頭にも書いたがこのアルバムをメイデンの最高傑作であるとする意見には首をかしげるファンも居るだろうし、Steveのもっと凄いプレイをきけるアルバムは他にもたくさんあるのも事実だ。

ただこれだけは言いたい。僕は、このアルバムでIron Maidenというバンドと出会ったことを本当によかったと思っている。本作「POWERSLAVE」は、Steve Harrisの作曲能力、プレイ、ひいてはIron Maidenの素晴らしさを堪能するに足る、優れた名盤であると、そしてHM/HRをプレイする人のみならず、全てのベーシストに聞いて頂きたいと、心から思うのである。

 

2000年2月2日 記

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